デブリをリサイクルしたり、宇宙船のハブになる宇宙製造プラットフォームの構想が進む

masapoco
投稿日
2022年12月18日 5:24
thinkplatform by thinkorbital

宇宙インフラのスタートアップ、ThinkOrbitalは、宇宙空間で製品を製造したり、スペースデブリの除去やリサイクルを行うための軌道プラットフォームの開発を行っている。

さらに同社のプラットフォームは、SpaceX社が開発中の完全再利用型ロケット「Starship」と互換性があり、最終的には人類を火星に運ぶことができるとのことだ。

このThinkOrbital社は、昨年NASAが実施した宇宙ステーションの新コンセプトの入札に、そのデザインを提案していたが、Blue Origin、Nanoracks、Northrop Grummanらがそのコンペは勝ち取っていた。その後、ThinkOrbitalは、よりコンセプトを洗練させ、軌道上への夢を求め続けていた。

同社の、ThinkPlatformと呼ばれるプラットフォームは、宇宙ステーションやSpaceX社のStarshipなどの宇宙船とドッキングできる非加圧型の自由飛行モジュールとして構想されている。NASAとの有利な契約は逃したものの、ThinkOrbitalは最近、米宇宙軍Orbital Primeの宇宙でのサービス、組み立て、製造に関するプログラムの下で26万ドル相当の2つの研究契約を獲得していた。

ThinkOrbital社の共同設立者兼社長のLee Rosen氏は、SpaceNewsのインタビューに答えて、「このプラットフォームは、製造、人間の居住、軍事用途、その他に利用できる。そして、良いニュースは、それを実現するために物理を曲げる必要がないことです。宇宙での電子ビーム溶接は、80年代にソビエトによって実証されたので、我々はそれがうまくいくことを知っています。」と述べている。

ThinkPlatformは、それ自体がロボットアーム技術を使って宇宙で組み立てられるだろう。Rosen氏が指摘したように、既にその技術は存在する。問題は、宇宙でプラットフォームを自律的に構築できるように、アップグレードする必要があることだ。「私たちは機内デモを行い、自分たちでデータを取りたいと考えています。しかし、我々はそれが機能することを確信しています」とRosen氏は付け加えている。

Rosen氏によれば、軌道に乗った場合、ThinkPlatformは、高速コンピュータチップ、医薬品、光ファイバーなどを官民で製造するのに使われる可能性があるという。また、このプラットフォームは、宇宙ゴミを回収する小型衛星を配備し、それをリサイクルして燃料に変えるか、大気圏で燃え尽きるように軌道を外すことも可能とのことだ。

「例えば、そのハブでデブリを処理し、アルミニウムを宇宙船の燃料に使えるようなアルミニウムの粉末にすることができる のです。」と、Rosen氏はSpaceNews誌に語っている。

国際宇宙ステーション(ISS)が2030年頃に軌道を離れることが決まっているため、NASAは次世代の軌道ステーションを建設するために、民間の宇宙セクターに期待している。ThinkOrbital社はNASAとの契約は獲得していないが、常に革新的で新しいソリューションを軌道に乗せる民間宇宙セクターの重要な部分を形成している。



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • STScI 01GGTF3W4Y95CG3G98Z9KFFXRN
    次の記事

    水で覆われた2つの惑星が発見された可能性

    2022年12月18日 7:24
  • 前の記事

    Steam Deckの後継機は、バッテリーとディスプレイの改良がメインとなり、パフォーマンス向上はない可能性

    2022年12月17日 16:24
    social media image

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


おすすめ記事

  • SOFIA 1024x811 1

    小惑星表面で水が発見された

  • 1.22.24webbtelescopestephan quintetorigcrop3 e1707612198512

    ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡はダークマターの1つの理論を直接検証できる

  • 12116

    星を殺す「ブラックホール風」が遠方の銀河で発見された

  • PEARLSDG quiescent dwarf galaxy 1

    ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が存在しないはずの銀河を発見

  • 居住出来る可能性を持つ新たな地球のような惑星を発見

今読まれている記事