H3ロケットの打ち上げが成功、日本の宇宙開発にとって重要な成果

masapoco
投稿日
2024年2月20日 9:02
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日本は、昨年初期型が失敗した後、新しいH3ロケットの試験に成功した。ロケットは2月17日土曜日に種子島宇宙センターから打ち上げられ、軌道高度約670kmに達した。このロケットは、超小型衛星と、現実的なペイロードをシミュレートするために設計されたダミー衛星を搭載していた。

H3ロケットの打ち上げ成功により、日本は2001年から使用されているH-2Aロケットからの移行を開始する。今後予定されているいくつかのミッションはH3に依存しているため、この試験の成功は極めて重要である。

打ち上げは、悪天候のために2日間延期された後に行われた。三菱重工業によって製造されたH3ロケットは、現在、日本の宇宙計画の主要な打ち上げロケットになることが決まっている。2023年3月の初飛行は軌道に到達できず、地球観測衛星を失った。

衛星の打ち上げと展開の成功は、JAXAとプロジェクトのメンバーにとって安堵の出来事だった。打ち上げとその後の軌道投入成功のライブストリーミングでは、JAXAコマンドの関係者が歓声を上げ、抱き合う様子が映し出された。

「肩の荷が下りた思いです。しかし、H3はこれからが本当のスタートであり、着実に改良を加えていきます」」と、打ち上げ後の記者会見でJAXAの岡田匡史H3プロジェクトマネージャーは語った。

H3は高さ約57メートルで、より大きなペイロードを搭載できるように設計されている。2機の超小型衛星は、打ち上げから約16分43秒後に展開された。キヤノン電子が開発した地球観測衛星CE-SAT-IEと、地表や海水の温度を観測する赤外線地球観測衛星TIRSATである。

JAXAの山川宏理事長は報告会で「良い結果を発表できてほっとしている」と述べた。山川理事長は、H3の主な目標は、宇宙への独立したアクセスを確保し、衛星打ち上げの国際的な需要が増加し続ける中で、日本が競争力を持てるようにすることだと付け加えた。「我々は今日、その目標達成に向けた大きな第一歩を踏み出した」と語った。

JAXAは先月、H-2Aロケットでスパイ衛星の軌道投入に成功し、その数日後にはロボット型月面着陸機SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)が史上初の正確な「ピンポイント」月面着陸に成功した。月面着陸 –残念ながら着陸船は横倒しになってしまったが、降下の最終段階で、2台の自律型ローバー(小型のホッピングロボットと地表を転がるように設計されたローバー)の展開には成功した。どちらも写真を送り返し、SLIMが操作できなくても探査を続け、情報を送り返すことができる。


この記事は、NANCY ATKINSON氏によって執筆され、Universe Todayに掲載されたものを、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)に則り、翻訳・転載したものです。元記事はこちらからお読み頂けます。



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