Samsung、日本のPreferred Networksから2nm世代のAIチップ製造を受注と報じられる

masapoco
投稿日
2024年2月16日 11:05
Samsung HQ Image

先日Samsungは、その四半期決算発表の壇上で、既にあるAI企業から2nm世代のチップ開発について受注を獲得していることを明らかにしていたが、どうやらこれは日本のPreferred Networks(PFN)である事が判明した。

報道では、PFNがAIアクセラレータ等のAI向け半導体の生産に、TSMCではなく業界2位のSamsungを選択した理由について、Samsungがこれまで積み重ねてきたチップ生産ノウハウと豊富な資本力などを信頼したためと分析しているが、これについてはTSMCも同様の条件であると思われるため、実際のところ決定的な要因については不明だ。

PFNは、2014年に設立され、AIディープラーニング(深層学習)開発分野で評価が高い。トヨタ、NTT、ファナックなどさまざまな業種の主要企業が大規模な投資を行っており、企業価値は4,000億円を超えると言われる。

PFNはIoTアプリケーション向けのディープラーニングの研究開発に特化している。また同社は、カスタム・ソフトウェアの開発や様々な顧客へのスーパーコンピューターの供給におけるリソースと専門知識を有している。

一方、Samsungは、長年TSMCの後塵を拝してきたファウンドリー事業にようやく弾みをつけることができる。さらに報道では、PFNとの提携はSamsungにとって複数のゲートウェイを開くことになり、2nmチップの顧客獲得に乗り出すことができるとしている。PFNはNVIDIAやIntelとも提携しているとされ、Samsungにとって強力な味方となる。

また、Samsungが次世代ノードの最初の顧客を誘致するために、PFNに2nmウェハーの魅力的な割引を提供した可能性も十分にある。同社は以前、ライバルのTSMCとの市場シェア差を縮めるため、この戦略を検討したとも報じられていた。

ただし、Samsungは現行の3nm GAAプロセスにおいて、他社に先駆けてこれを量産開始したが、歩留まり問題に悩まされていたことも報じられている。この点でもTSMCは優れたパフォーマンスを示していると言われており、それ故に最先端技術を高価格で販売する事ができ、高い収益を確保している。SamsungがTSMCに対抗するためには、まずはそこもクリアする必要があるだろう。


Sources



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • 次の記事

    OpenAI、Googleに対抗するためAIベースの「検索エンジン」を開発中か?

    2024年2月16日 12:06
  • 前の記事

    Stability AI、更に効率的で高品質な画像生成モデル「Stable Cascade」を発表

    2024年2月16日 10:32

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


おすすめ記事

  • Intel glass substrate 5

    Appleがガラスコア基板の採用に向けて協議を進めている

  • openai

    OpenAI、15秒の音声サンプルから感情豊かで自然な音声を合成できる「Voice Engine」を発表

  • a04c35e8e555c1cc7ae1d6a5f3159856

    MicrosoftとOpenAI、1000億ドル以上をかけて超人的AI開発のためのスーパーコンピューター「Stargate」を開発する計画

  • Sam Altman TechCrunch SF 2019 Day 2 Oct 3 cropped cropped

    ベンチャーキャピタリスト、OpenAIのSam Altman氏を“誇大妄想的”と非難

  • sibelco spruce pine

    世界の半導体は米国のたった1カ所の鉱山に支えられている

今読まれている記事