小惑星ベンヌから入手されたサンプルを超高解像度写真で見てみよう

masapoco
投稿日
2024年1月21日 6:10
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小惑星ベンヌの探査の末にサンプルを手に入れたOSIRIS-RExによってユタ州の砂漠に投下され、その後サンプル・コンテナの開封に数ヶ月を要したが、先日ついに中身を見ることが叶ったNASAのキュレーションチームは、ついに小惑星ベンヌの残りのサンプルを公開した。

蓋を取り外す前に、チームはすでに70.3グラムの小惑星物質を採取していたが、TAGSAM(Touch-and-Go-Sample-Acquisition-Mechanism)ヘッドを開く最後のステップを完了し、最終的に残りの多量のサンプルにアクセスできるようになった。

NASAのクリエイティブ・リードのErika Blumenfeld氏とプロジェクト・リードのJoe Aebersold氏が、手動による高解像度の精密写真撮影と半自動化されたフォーカス・スタッキング手順を使用して、サンプルの非常に詳細な写真を撮影した。オリジナルの超高解像度写真はこちらからご覧頂ける。是非、サンプルの細かいディテールまで確認してみよう。

キュレーションチームの次のステップは、キャニスターを囲む金属製のカラーを取り外し、TAGSAMヘッドからサンプルトレイにサンプルを移すために使用するグローブボックスを準備することである。その後、トレイの写真撮影と重量測定が行われ、梱包されてNASAのジョンソン宇宙センターで保管される。

ここまでの道のりは長かった。OSIRIS-RExは2023年9月にベンヌサンプルの入ったカプセルの落下に成功したが、キャニスターの開封が予想以上に厄介なことが判明した。留め具のうち2つが取り外せなかったため、これを破壊するための工具を作成したりもしたが、容器内部のスペースが狭く、破損や汚染のリスクを抑えるために、根気強く作業を行わなければならなかったのだ。結局、今年1月10日に問題は解決した。

NASAジョンソン宇宙センターのARES(アストロマテリアル研究・探査科学)部門チーフであるEileen Stansbery氏は声明の中で、「我々のエンジニアと科学者は、以前アクセスできた70グラム以上の材料を処理するだけでなく、このハードルを越えることを可能にする新しいツールを設計、開発、テストするために、舞台裏で何カ月も不眠不休で働きました。このチームの革新と献身には目を見張るものがあります。私たちは皆、OSIRIS-RExに残された宝物を見ることに興奮しています」と述べている

サンプルの一部はすでに一般公開されているが、サンプルが小惑星ベンヌについて何を語っているのか、その全容を知るにはまだしばらく時間がかかりそうだ。今後数週間は、すでに目標の60グラムを超えたサンプルの最終的な質量を評価する機会をチームに与えるだろう。ベンヌの全サンプルのカタログは今年後半に公開される予定だ。NASAは今後2年間かけてサンプルの一部を分析する予定だが、サンプルの大部分は将来の研究のために保存され、他の科学者と共有される予定である。


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