Googleは、昨年大々的に発表したAIモデル「Gemini」の小型バージョン「Gemini Nano」を使用した数々のAI機能をPixel 8 Proにのみ提供すると予告していたが、この方針を撤回し、標準モデルのPixel 8にもスマート返信機能や録音要約機能を搭載すると発表した。

Googleは12月に、モバイルに最適化された大規模言語モデルとしてGemini Nanoを発表し、将来的にはAndroidの中核部分になると述べていたが、自社の端末ラインナップでは、Pixel 8 Proだけがそれを使うことが出来るとしていた。同じTensor G3チップセットを使っているにもかかわらず、Pixel 8は “ハードウェアの制限”のためにオンデバイスAIを実現できないとしていた。

Pixel 8は、次のPixelの開発者向けプレビューでGemini Nanoをサポートし、Pixel 8 Proと同じように生成AI機能を搭載する。

The Android Showのそのエピソードの中で、Googleは当初Pixel 8でサポートされないと述べた理由を深く掘り下げなかった。同じTensor G3チップを搭載しているが、Pixel 8 Proの12GBに対し、Pixel 8は8GBのRAMしか搭載していない事からRAMに原因があったと思われるが、Galaxy S24シリーズもGemini Nanoをサポートしており、Galaxy S24の標準モデルも8GBのRAMで動作する事から、ユーザーからの批判があった。そうした批判に耳を傾けたのだろうかは不明だが、Googleは、他のユーザーエクスペリエンスに影響を与えることなく、より少ないRAMでLLMを実行する方法を見つけたようだ。GoogleはPixel 8へのGemini Nano搭載を以下のように説明する：

昨年、Pixel 8 ProがGemini Nanoを搭載した最初のスマートフォンとなって以来、私たちはユーザーや開発者から多くの興奮を目にしてきました。異なるメモリースペックのスマートフォンで大規模な言語モデルを実行すると、異なるユーザー体験を提供する可能性があるため、私たちはPixel 8でこれをテストし、検証してきました。私たちは、より多くの愛好家や開発者にGemini Nanoを試す機会を提供できることをうれしく思っており、そこでより多くのフィードバックが得られ、より多くのイノベーションが見られることを期待しています。

次のPixel Feature Dropは6月に登場するはずで、すでに2種類のベータ版が公開されている。Gemini Nanoが今後のベータドロップに含まれるかどうかは不明だが、早ければ来週にも新しいベータドロップが登場すると見られる。

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